2021年

3月

10日

夢みる少年

少年は風になりたかった

誰にも止められず

どこまでも走り抜ける

風に

少年は雲になりたかった

誰にも干渉されず

真っ青な空に寝ころがる

真っ白な雲に

それなのに少年は

風にも雲にもなれず

人間の大人になった

今では

なによりも少年になりたい

夢みる少年に

0 コメント

2020年

6月

21日

文学は面白いのです『街灯と青空』

文学が好きなんです。文学が好きなのですが好みの偏りが激しく、主に古書を読んでいます。大正から昭和の戦前戦後あたりの文学がたまらないのです。不思議なもので日本に限らず、海外の文学でも同じようです。

社会は未成熟で、多くの偏見や差別、身分制度の問題があったり制度的な問題も多く、そこに暮らす人々にとって良い社会であったかと言えば疑問です。(現在が成熟して良い社会であるとも言えませんが)現代と比べても貧しく不自由な社会の中で、人間は人間らしく生きようとしていたように感じられます。(この言い方が適切であるか微妙ですが)社会が未成熟である為に、未来を自分たちの手で作るという理想を持っていたように本を通して私は感じています。文士を含む教育を受けた一部の人間だけかもしれませんが、市井の人々は、市井の人々で、人生に、生きることに、真剣に向き合っていた事も、文士の筆を通して私は感じています。

 

新しいブンガク誌「街灯と青空」は、そんな時代を眼前に浮かび上がらせるホログラフィーのような文芸誌です。過去を今のことのように感じてもらいたいと考えています。過去は現在のなかに生きています。今回のテーマはちょっと硬いもので、説教臭いものと思われてしまったかもしれません。ただ今に通じるテーマを選んだもので、本来の趣旨は、今読んでも面白い文学、現代の文学の多くからは失われてしまった美しい文体を愉しんでもらいたいということです。

僅かでも、これを入り口に文学が面白いと感じてくれたら嬉しいです。

 

ブンガク誌 街灯と青空 BCCKS

 

* 画像は、一号の表紙に使用した自作のアクリル画です。

0 コメント

2019年

3月

03日

2019年の今今問答

また詩を書いている。

書きたくなったら書いている。

何年もろくに書かなかったのに。

書いてみると数年前と同じ詩は書けない。

詩は今を生きている。

過去の詩も自分だけど、今の詩はまさに今の自分だ。

今の自分と言っても、その瞬間に生きていた、その時の自分であって、今書いている自分はその時の自分を追い越して、今を生きている。

だから今、この紙の上に、デジタルデータに遺した詩は、本当の今ではない。

その証拠に、今同じ詩を作れと言われても、二度と同じ詩は作れないのである。

2019年

3月

03日

惑いの季節

惑いの季節のその先に

僕らはどこに着いたろう

今日の日差しを浴びながら

明日の夢をまだ見てる

昨日の僕らは風に散り

落ち葉の中に埋もれても

春になったら顔出そう

また新しい芽を出そう

 

2019年2月27日

0 コメント

2018年

8月

18日

風の中で

風の中で踊る

落ち葉のように

可憐な花びらのように

薄べったい蝶のように

吹き上げられた砂埃のように

はたまた千切れた雲のように

僕は踊る

君も踊る

どこかで踊る

もしかしたら隣りで



0 コメント